血縁主義の弊害

週一の学術論文ニュースレター、今回は「血縁主義の弊害」という論文です。こちらの論文では、日本のファミリービジネスの事業承継と企業業績の関係を45年間の長期データを用いて分析しています。

結論としては「婿・婿養子承継は悪くないから。同族だからといって十分教育されていない後継者が事業を承継すると企業業績が悪化するよ」という話なんですが、これはこれで困った話です。

そもそも「これから跡継ぎがいないファミリービジネスがどんどん出てきますぜー」ということが今の課題なので、「ただ同族から跡継ぎを出せば良いわけではない」といわれてもそれどころではないというのが実情ではないでしょうか。しかも、婿・婿養子承継のほうが良いとわかっても、今の自由恋愛なご時世では親御さんとしてもいまさら「ロミオとジュリエット」みたいなことになりたくないし、という状況かと。

しかしそう考えてみると、ファミリービジネスはまだまだ学問的には新しい分野とはいいつつも、こうしたテーマは昔から世界中にあったともいえます。もちろん日本も例外ではなく、現在の文脈においても活かせる知恵は、たとえば時代劇なんかも含めて実は身近に多くあるのかもしれません。

https://jinzaiikusei.substack.com/p/53d

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