「これまで採用では資格に過度に依存する傾向があった。生成AIにより学校名や学位などの資格に依存せず候補者のスキルに注目した採用が可能になる。これは雇用側ではなく社員側にも大きな助けとなる。これまではスキルがあってもキャリアに明確な指針がない人は、マネジャーか他の誰かが代わりにキヤリアを決めていた。しかし生成AIは、能力はあるにも関わらず将来のキャリアが見えない人にとってキャリアパスを照らし出す助けとなる」
理系・文系という分類がどれだけ意味があるかは一旦おいといて、これまでは技術をもっている理系がなぜか報われないという傾向が日本企業にはありました。評価が社内に閉じており、市場全般で通用する専門性評価の基準やプロセスが確立していないことがひとつの原因なのでしょう。
しかし今後は技術者が「自分はいいように使われているのでは?」との疑問をもった際に、生成AIが客観的なスキルの評価と将来のキャリアパスを示してくれる可能性を持っています。いまの生成AIはロジックの集積でありデータの集積ではないので、自分の職歴やスキルをデータとして入力しても得られる示唆は限られていますが、これからロジックとデータが細分化されていき、スキルデータベースのようなものが確立すれば早晩実現するでしょう。
願わくば、生成AIによるキャリア支援は、現在行われている資格ベースの出身校や偏差値といった画一的な基準ではなく、スキルベースで一人ひとりの個性を豊かに表すことができるもの、そしてこれから社会に出ていく人にとって様々な可能性を示すものになってほしいものです。