会社を家と考えることの是非

「CEOに対して社会問題に対する立場を明らかにするような呼び声が大きくなっている中、政治的不一致が役員を退任に追い込むことが増えている。そして役員間の政治的不一致は組織全体の業績にも影響を及ぼす。しかし理想的には役員選抜の過程でそうした観点も議論されるべきであり、なにより不一致を超えて合意を形成することに長けた役員を選抜すべきだ。役員会は政治闘争の場ではない。必要な政治闘争を他の場所で見出すのがCEOの役割だ。」
 
多様なステークホルダーへ提供する価値の総和が企業価値だとすれば、経済的価値だけでなく政治的な要素も含めた社会的価値も企業には強く求められるようになっています。加えて海外投資家の影響力も高まっていることから、日本国内だけでなくグローバルな社会課題に対する政治的スタンスを示すことが経営者には求められています。
 
だとすれば、役員間での政治的一致という単一性を追求するよりも、政治的立場についても多様性をもつことが望ましいでしょう。そして政治的立場だけでなく、性別、国籍、ニューロダイバシティーなど様々な多様性を抱える集団をひとつにまとめるのであれば、そうした強い遠心力に匹敵するだけの圧倒的な求心力も必要になるはずです。
 
求心力になりえる存在としてはパーパス、ミッション、ビジョン、理念、精神、意義など様々な言い方があります。中でも、日本企業にとっては「家」という単位が改めて大切になっているように感じています。いろんな意見があって色んな揉め事があったとしても、最後は理屈抜きに「家」だから、みたいな求心力の作り方。最近まではナシと言われてきたように思いますが、じつはこれからはむしろアリなんじゃないでしょうか。どうなんでしょうか。

https://www.kornferry.com/insights/this-week-in-leadership/a-different-political-view

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