ファミリービジネス研究のこれまでの進展とこれからの展望

意外にもファミリービジネス研究が明確な研究テーマとして確立されたのは80年代以降のようです。調べてみると、現在のグローバル企業の中には80年代どころか1900年以前から続くメルク、エルメス、ハイネケン、リーバイスなどファミリービジネスも多くあるわけで、アカデミアよりもそうしたファミリーのほうがいろいろと知っていそうです。
 
そして目を外に向けるまでもなく、日本にも昔から番頭とか暖簾分けだとか、ファミリーと同族外の優秀人材を活用するための知恵がたくさんありそうです。エグゼクティブ・アセスメントという横文字のサービスなので、さすがに私はレポートを書くときに「番頭」という言葉は使いませんが、口頭で説明するときに「番頭さんのような」と添えるだけで伝わることも多いと感じます。それだけ多くの暗黙知が歴史的に詰め込まれている言葉だからなのでしょう。

本論文を執筆した筆者の意図とはまったくずれますが、私にとっては、ファミリービジネスについて知見を広げる上で、引き続き海外文献はあたりつつですが、日本の文献もそれ以上に掘り下げたほうがどうやら収穫は多そうだ、ということを示唆してくれる論文でした。

https://jinzaiikusei.substack.com/p/6a8

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です