スローガン=できていないこと

「世界で最も称賛される企業とその他の企業の回答を比較した場合、社員の能力開発、適切な人材の採用において優れており、コロナ禍においても人材の強化に注力してきたことがうかがえる。そして世界で最も称賛される企業は人材育成にこれまでも体系的に取り組んできており、偶然そうなっているわけではない。」
 
ある種のスローガンは、できていないからこそ声高に叫ばれている場合もあります。たとえば、世界で最も称賛される企業、その上位のほとんどを占めるアメリカ企業では、2000年以降から競争力の源泉として人材に積極的に投資をしているものの「人的資本経営」という言い方はされません。むしろ、アメリカ企業にとってのスローガンは「ステークホルダー資本主義」でしょう。これすらも、資本主義の総本山ともいえるロスチャイルド家のロスチャイルド・アンド・コーの株式非公開化の計画が先週発表されており、スローガンですらなくなっていく可能性もありますが。
 
一方、日本では「ステークホルダー資本主義」という言葉はあまり声高に叫ばれていません。近江商人の三方良しを出すまでもなく、誰か一人が利益をむさぼることは良しとされない倫理観が日本には脈々と流れているからなのでしょう。むしろ、正規/非正規社員比率、賃金上昇率、社員エンゲージメントが先進国の中でも著しく低いからこその「人的資本経営」なのでしょう。

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