コロナ禍後の優れた企業の鍵は「信頼」

「顧客満足、社員エンゲージメントと育成、革新、社会的責任、財務体質の5つの観点から優れた企業を判定するドラッカーモデルによると、コロナ禍前の2019年ランキングでは、優れた企業のリーダーは1)あいまいさの許容、2)適応性、3)リスクテイキングに秀でていた。これがコロナ禍後の2021年ランキングでは、1)あいまいさの許容、2)信頼、3)好奇心、4)リスクテイキング、5)適応性となっていた。アジリティーが重要であることは引き続きだが、加えて信頼も重要な要素として現れている。コンピテンシーでは、1)グローバル視点、2)あいまいな状況への対応、3)対人関係構築力、4)協働、5)信頼の醸成となっている。新時代のリーダーには、外に目を向けるだけでなく内にも目を向けて信頼関係を構築することが問われているといえよう。」

変化の激しい時代のリーダーにアジリティーが問われることは致し方ないにしても、更に「信頼」も問われるようになっているようです。たとえれば、飛行機を飛ばせたまま大胆に改造できるだけでなく、なおかつ乗客全員に「この飛行機は落ちませんのでご安心ください」と信じてもらうという曲芸をできることがリーダーの資質ということになります。人材育成コンサルタント目線で考えるとそういうリーダーでも育成可能ってことになりますが、朝の満員電車が少し止まっただけでも社内を満たす不穏な空気感を感じる一乗客目線で考えると、そんなリーダーって仮に育てられたとしても正直そんなにそう多くは育てられない気がしてなりません。

そもそもの「飛行機のたとえ」がおかしいという突っ込みはなしにして妄想をつづけると、むしろそんな状況でリーダーひとりだけの資質を問うこと自体がおかしいのではないでしょうか。むしろ、「わたしは子守りできます」「わたしは電気系統なら触れます」「わたしは工具持ってます」とか、リーダーだけでなくその飛行機に乗り合わせた全員の力と連携こそが問われるべきでしょう。そうだとすれば、リーダー育成は引き続き大切だとしても、「信頼」を生み出すのはリーダーの責務だと”ヒト”事にするのではなく、ひとり一人が”自分”事として組織を「信頼」で満たす方法を追求するよう促すことが新時代の”人事”として注力すべきことなのでしょう。

https://www.kornferry.com/institute/leadership-for-a-new-era

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