「映画『マネー・ボール』で一躍知られることになった野球でのデータ活用はこの20年で飛躍的に発展している。データポイントは1万から100億に増えている。各チームには平均18名程度のデータアナリスト・ソフト開発者がおり、タンパ・ベイ・レイズでは39名も抱えている。ビデオ、GPS、ウェアラブル・デバイス、バイオメカニカル・デバイス、モーション・キャプチャーなどを駆使して予測モデルを構築している。しかし人材への投資効果がみられるのは1年から長くて3年後ということもある。つまるところ、データ戦略の最大のポイントはこれまでとは異なる考え方を学ぶことにある」
成果を予測するモデルをどのように構築しそのために必要なデータをどのように集め、整理し、分析するか。人材に関するデータ戦略が競争力の差別化要素となっているようです。他のチームと同じことをやっていては勝ちにはつながらず、如何に異なる考え方をするかが勝負の分かれ目なでしょう。各チームがデータアナリストを抱えており、人材への投資方法を考えるための投資も増えているようです。
映画「マネー・ボール」ではデータ戦略を差別化の源泉とすることを理解してもらうための苦労が描かれていますが、この20年前に描かれた苦労と同じ状況の組織も引き続き少なくないのではないでしょうか。データ戦略の前に、そもそも過去と違うやり方、みんなと違うやり方こそが価値の源泉になるというマインドセットが経営職にはこれまで以上に求められています。