「グローバル企業CEO約1,000人を対象にした調査で、ほぼ80%のCEOが会社だけでなく自身の変革が必要と回答した。中でも信頼が事業の成功に不可欠となっていると見ている。CEOは事業を牽引する人から、存在意義(パーパス)と信用を創造する人に変わったとする見方もある。特に政治的に関心が集まるテーマにもCEOが積極的に関与することが期待されるようになっているため、EQの重要性は更に高まっている。これまでもCEOの人としてのあり方は重要であったが、その重要性は益々高くなっている」
経営職の期待役割が企業価値の向上であることに変わりはありませんが、その要件として事業の構想力や実行力に加えて、経済に留まらない社会全般に関与することで信頼を勝ち得る力が問われるようになっているようです。具体的にそうした要件を満たす能力はどのようにすれば育成することができるのでしょうか。
そうした問いすらも曖昧でまして答えもないようなチャレンジに臨む力を身に着けてもらうには、世界中の様々な有識者と対話する機会を提供し、特定の世界に閉じずに多くの人に通じる真善美をつむいでもらうしか今のところ方法はないのではないかと思います。その大前提として、一般職、管理職、そして経営職はそれぞれがまったく別の役割だという認識をもった上で経営職として対話するということが大切なのでしょう。そしてこの経営職という役割の存在を認識するという大前提が結構怪しいのが今の日本企業の致命的な課題になっているのではないかと感じています。