「自身の達成に満足せずにいつづける能力である向上心(Ambition)は、仕事上の成功だけでなく、寿命、幸福度、人間関係にも結び付いていることが多くの研究からわかっている。向上心の44%は遺伝によるといわれている。体重が80%、身長が90%と比較すると、努力によって変えられる余地は大きい。しかし実際には容易ではない。向上心を高める上では、フィードバックをうけること、自身の価値観を知ること、適切な向上心を保つこと、周囲への印象に配慮することが大切だ。」
向上心は大切。だけど、みんなに向上心を求めるのもいかがなものかと。会社の中であっても特に向上心が必要な役割とそうでない役割があります。向上心が特に必要な役割に就ける人は向上心が高い人を選べばよいわけで、全員に向上心を求めるのは非効率ではないでしょうか。
また向上心は大切だとしても過度に重視することが、結果的に成果に結びついていないこともあります。向上心と成果は別ものです。向上心が高い人が短期的に何かを成し遂げたように見えても残ったものはズタボロになった組織だけというのはよくある話です。
そしてもっと怖いのは、私がここで書いている向上心が指すものと、別の人が書いている向上心が指しているものが実はまったく別物であるということも珍しくないということです。実際にこの記事の向上心(Ambition)の定義が”自分の達成に満足せずにい続ける能力”というのも私には結構な意外感がありました。
もう議論しつくされた感のある話ではありますが、やっぱり評価の話は大切だと改めて最近感じています。向上心という社会的にも会社的にも重視している要素ですら、ヒトによって違うモノサシを使っているわけで。自分で突っ込みますがモノサシという単語自体が単一的に点数化して断定する要素を含んでいます。もしかしたら”評価”に変わる概念を発明しないといけないのかもしれません。断定的に良し悪しつけるのではなく、多面的に観察し、可能性を引き出すようなヤツ。
https://www.forbes.com/sites/tomaspremuzic/2023/07/05/can-ambition-be-coached/